完全でなかったとしても愛おしいもの、というのはこの世界に沢山存在している。
いや、むしろ不完全であるからこそ惹かれてしまうのかもしれない。
自分自身に欠けているものを埋め合わせるためなのか、
絶望するような無力感、すべてを打ち消してしまう美しさをもった光景を、
ひたすらに追いかけ続けている。
いつの日か手の中に、その光り輝くなにかを見ることができるのか、
それとも死ぬまで答えには届かないのか。
もしかしたら、今ここに在るこの瞬間こそが既に、探しているものだったと、
生を終える時に、思いを馳せるのかもしれない。
そんなことを考えながら、2022年の終わりを北の果てで迎える。
旅をつづけて。