生と死について考えることが多い一年だった。
生まれてくるものと、去っていくもの
そんな風に明確な区切りがどこかにあると思って生きてきた。
けれども人間の決め事や儀式を取っ払ったところでは、
死も生もまるで渾然としていて、
渡ろうとする一線すらないのではないかと
体感するようになっていった。
消えていく命と、それを糧にして生き延びるいのちと
全てはずっと繋がっているように見えて
いつも静けさの中にただ横たわっていた。
大きな鹿の躰も骨も
一片の汚さや恐怖を感じさせることなく
土に還りつつあった